奇跡の作品。心頭滅却の一点。 

この作品は、富士山がよく見える、
静岡県のリノベーションされた工場の屋上で書いた作品。 
「何の文字を書こう・・・?」
当時はそればかり気にして、焦って、活きた線が出てこない。
そんななか、一緒に創作活動をしていた画家から一言。

 「一度、展示があることも、あなたが書家であることも全て忘れて、
感覚のままに筆を進めてみなよ。」 

その言葉がすっと私の胸に入り、
それから数分間はあまりよく覚えていない。
 気づいたら、ただこの作品が目の前に出来上がっていたような感覚。 
元々、紙を横に置き、左側から書いていましたが、
なんとなく縦の作品にしました。

振り返ると、初めて文字を書こうとしなかった作品。
書こうとしなくても筆が乗った初めての作品。


点や線・しぶき・額・紙のしわまで、何かを感じさせるような作品と
言っていただけることも多く、感無量でした!

ご覧いただいた方には、様々な解釈をしていただいて本当に面白かった!
「旦」「日の出」「日の入り」「隕石」「タイヤ」「心・感情」「窓」などなど。
どれもきっと、そう見えたのだったらその通り。
見る人によって違う解釈となる書ってなかなか書けるもんじゃないけど、
面白いなーと気づけた作品であり、展示となりました。

私は、落ち着いてからよく見ると、元旦の「旦」の字に見えました。
地平線から、太陽が少しずつ顔を出すあの光景を思い浮かべて。
なので「旦」。だけど本来はタイトルなんてありません。

皆様にはこの作品がどう映るでしょうか…!

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